包括的核実験禁止条約

【Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty=CTBT】
宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核実験や他の核爆発を禁止した国際条約。1996年に国連総会で採択された。それまでは部分的核実験禁止条約があったが、地下核実験は除外されていた。CTBTの目的を達成し履行を確保するために包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)が設立され、条約遵守を検証するために国際監視制度(IMS)や現地査察の制度が設けられている。IMSは地震波や放射性核種などを観測し実験を探知する国際監視網で、既に300以上の施設が整備済み。CTBTは、動力用原子炉を保有する44の「発効要件国」が批准しなければ発効せず、米国、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮、イラン、エジプトが批准せず未発効のままだが、IMSは運用されており北朝鮮の核実験を探知している。

「安全保障用語」編集部