核抑止

【Nuclear deterrence】
核抑止とは、攻撃を受けた場合に、核兵器による報復を受け、耐えがたい損害を及ぼす能力と意思があることを相手側に認識させ、攻撃を未然に思いとどまらせようという核戦略の基本的考え方。核兵器を使用することなく、結果として全面的な核戦争を回避できるとして、核保有国などが核保有を正当化する際に主張している。敵対する核保有国同士が、相手からの核先制攻撃を受けても、相手に耐えがたい損害を与えるだけの核を温存できる状態を「相互確証破壊」と呼ぶ。ただ、米国などは、相互確証破壊だけでは核抑止に不十分だとして、ミサイル防衛などを導入している。一方、核抑止には、偶発
的な核戦争のリスクを高めてしまうことや、テロリストなどへの核兵器の拡散を誘発するなどの批判もある。

「安全保障用語」編集部