戦車

【TANK】【Battle Tank】
比較的大型の軍用戦闘車両で、攻撃から内部を防護する装甲を施し、1門の主砲(加農砲=Cannon)、その他の銃器を回転する砲塔に装備し、車輪で金属製のベルト(履帯)を回転させ、不整地でも走る。主砲は、基本、直接照準で発射される。現代では、走行中にも主砲等の発射が可能なものが多い。重戦車(Heavy Tank)、主要戦闘戦車(Main Battle Tank)、軽戦車(Light Tank)等に分類される。なお、冷戦期のスウェーデンには、砲塔がなく、主砲を車体に取り付けたStrv 103(通称、Sタンク)が開発、配備された。連外的な戦車なのか、自走砲なのか、見解が分かれる。砲塔を装備した自走砲(Self-Propelled Gun/Artillery:別掲)や重武装化した歩兵戦闘車(Infantry Fighting Vehicle:別掲)との区別を背景に、CFE条約(欧州通常戦力条約:Treaty on Conventional Armed Forces in Europe,1992年発効)第Ⅱ章(c)では「戦車(Battle Tank)とは、自走装甲車輛で、装甲車輛や、その他の標的を直撃する砲口速度の高い主砲一門を主とする重火力を備え、高い不整地走破能力、高いレベルの自己防御を備える一方、戦闘兵員輸送を主たる設計や装備の目的としていないもの。このような装甲車輛は、地上の戦車及び装甲車輛部隊の主要兵器システムとして、機能する。戦車(Battle Tank)は、空荷重量16.5トン以上で、口径75㎜以上の360度横移動する砲一門で武装した、装軌装甲戦闘車輌である。さらに、(CFE条約では)上記の(装軌以外の)すべての基準を満たす装輪装甲戦闘車輌も、戦車と見做される」と規定されている。

「安全保障用語」編集部