共通の安全保障

common security】
1982年に国連事務総長に提出された「軍縮と安全保障に関する独立委員会」の報告で提唱された安全保障概念。冷戦後期、ソ連の中距離核ミサイル配備に端を発する緊張の高まりのなかで、東西両陣営の双方の安全保障は「共通」のものであるとして、軍備管理や軍縮の取り組みが必要であることを説いた考え方。安全が保障されるべき主体として、対決する一方の安全だけを考えるのでなく、双方に「共通」する安全という視点で考えなければならないという見方であった。