2006年、統合幕僚監部設置に関する法律の改定に伴って統合幕僚長のポストが新設された。統合幕僚長は統合幕僚監部の長であり陸海空自衛官の最上位の階級にある先任者とされ、内閣総理大臣及び防衛大臣に対する最高位の軍事専門的な助言者である。自衛隊のあらゆる作戦行動は統合作戦として実施されるが、現在、常設の統合司令部と統合部隊がないため、緊急事態の発生時には、その都度、統合任務部隊が編制され、統合任務部隊指揮官が防衛大臣の行動命令を執行する。統合幕僚長は統合司令官ではないため、この統合部隊を直接指揮する権限と責任はないものの、防衛大臣を直接補佐する自衛隊の最高位の指揮官という立場から、事実上作戦指導を実施する。