【Concept of basic defense force】
1976年の防衛大綱で示された、防衛力整備についての基本構想。従来は、周辺国の軍事力に応じて防衛力を整備する「所要防衛力」構想を採っていたが、防衛費が拡大し、米ソのデタント(緊張緩和)にあって、なぜ防衛力整備が必要なのか、国内外に説明する必要に迫られ、中国などの日本への不信感を払しょくするため、防衛力の「上限」を示そうとした。日本への大規模侵略は考えにくいとして、「我が国自らが力の空白となって侵略を招来することのないよう、必要最小限の防衛力を保持」し、「限定的かつ小規模な侵略について、原則として独力で排除することとし、侵略の規模、容態により、独力での排除が困難な場合にも、あらゆる方法による強靭な抵抗を継続し、米国からの協力を待って、これを排除する」とした。しかし、2010年には、台頭する中国の軍事力などを踏まえ、基盤的防衛力構想を改め、機動力や即応性を重視した「動的防衛力」に転換した。