化学兵器禁止条約

【Chemical Weapons Convention】
サリンなどの化学兵器の開発、生産、保有などを包括的に禁止した軍縮条約で、使用についても「いかなる場合にも」認められないと規定している。また米国やロシアなどが保有する化学兵器については原則、発効から10年以内の全廃を求めている。署名式が1993年に行われ97年に発効。条約の義務を履行・遵守するため、軍縮条約史上、初めて実効的な検証制度を定めたのが大きな特徴。検証制度を担保する機関として化学兵器禁止機関(OPCW)が設立され、2013年にはノーベル平和賞も受賞した。条約違反の恐れが生じた場合、OPCWは締約国の要請に応じて疑義の対象となる施設・区域にチャレンジ査察(抜き打ち査察)を行える。17年11月現在の締約国数は192カ国で、イスラエル(署名国)、北朝鮮、エジプト及び南スーダンが未締結。

「安全保障用語」編集部