空母

1. 「航空母艦」(Aircraft Carrier)の略。軍用機の離発艦を可能とする甲板や軍用機の整備、武装取付の機能を備えた大型の軍艦。 搭載可能機種に依ってヘリ空母、汎用空母の区別がある。汎用空母には、カタパルトを使って固定翼航空機を打ち出し、発艦させるものと、スキージャンプ甲板を使用し、艦載機が自力で発艦するものがある。スキージャンプ甲板の場合、艦載機は、自機の推進力だけで、必要な揚力を得なければならないため、カタパルトを使う場合に比べ、搭載燃料、及び、ミサイルや爆弾などの武装搭載の重量に制限が掛かりやすい。
2.  また、カタパルトを使用する米仏の空母では、艦載戦闘攻撃機の“空の眼”となる早期警戒機として、機体の大きさの割に滞空時間の長いプロペラ機を搭載している。しかし、スキージャンプ甲板では、プロペラ機が充分な揚力を得られる滑走距離が確保しにくく、2017年現在、艦載戦闘機の目となるプロペラ推進の早期警戒機を運用しているスキージャンプ甲板の空母は無く、早期警戒ヘリコプターを搭載するか、地上基地から運用される早期警戒機に“空の眼”としての役割を依存している。2017年現在、カタパルトを有している空母を運用しているのは、米、仏。ロシア、中国は、スキージャンプ甲板空母を使用している。英国は、スキージャンプ甲板のクイーンエリザベス級を就役予定。米英仏の空母は、航空機の運用を主目的とし、駆逐艦やフリゲート、潜水艦などとともに艦隊を構成し、全体としての攻守の能力を図るが、ロシアの空母「アドミラル・クズネツォフ」は、最大射程600㎞、最高速度マッハ2.5のP-700艦対艦ミサイルx12発やキンジャール艦対空ミサイルx192発等を装備し、航空機以外の打撃力も意識した設計となっている。

 

「安全保障用語」編集部