装甲兵員輸送車

【Armored Personal Carrier=APC 】
地上の戦場に於いて、戦車などの装甲戦闘車輛に随伴し、兵員(または民間人)を輸送する装甲車。装輪の場合も装軌の場合もあり、また、浮航渡河能力を備えたものもある。CFE条約(欧州通常戦力条約:1999年署名)では、「武装した歩兵一個分隊を乗せて移動し、口径20㎜以下の不可欠または、(車体と)一体化した兵器で武装している装甲戦闘車輌」と定義されている。一個分隊は、国によって異なるが約10人で構成される。このため、搭乗中の兵員、または、人員が迅速に展開できるよう、車体後部に大型のランプドアを備えたり、車体左右、上部に複数の出入り口を設けている例も。車体に常備された口径20㎜以下の機関銃で周囲への銃撃を行うが、走行中も、車内に搭乗中のの兵員が周囲に銃撃できるよう、車体左右の壁面に複数の射撃口(Gun Port)をはめ込み、または、上部ハッチから身を乗り出して銃を射撃できるような構造になっている車種もある。前者の場合、歩兵は、自身の自動小銃を射撃口(Gun Port)に差し込み、小さな窓から周囲を覗きながら、銃撃する。

「安全保障用語」編集部