バランス(同盟)

【Balance】
同盟とは、現在や将来の安全に共通の不安を持つ国家同士が連携し軍事的な共同行動を約束することである。二つの拮抗する勢力が存在する場合、より勢力の弱い方と連携すれば彼我の勢力が均衡し、覇権は生じないとされる。これを力のバランス(均衡)という。ただし、バランスは力だけが要因ではなく、力は相対的に弱くても、将来的に大きな脅威になる相手への均衡として行使される場合がある(「脅威の均衡」)。第二次世界大戦直後は米国の国力はソ連の国力を大きく上回ったが、ソ連という「脅威」に対抗するために強い方の米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)が誕生したという考え方だ。一方、ソ連の脅威が消滅した冷戦終結後もNATOが存続したため、国際社会の規範や制度を軸とした同盟の在り方が論じられている。