国際原子力機関

【International Atomic Energy Agency=IAEA】
1953年のアイゼンハワー米大統領による「平和のための原子力」演説を契機に、56年に国際原子力機関憲章が作成され、それに基づき57年7月に設立された国連傘下の自治機関。原子力の平和利用を推進、原子力技術の応用を支援すると同時に、その軍事利用転用の防止を目的に保障措置(査察)協定を加盟国と結び、査察を実施する。「核の番人」の異名を持つ。組織は①年1回に本部ウィーンで開かれる総会②実質的な意思決定機関である理事会③事務局―からなる。事務局長は理事会が任命し、総会が承認し任期は4年。2018年段階で日本人の天野之弥氏が事務局長を務める。平和利用に不可欠な原子力安全の強化、さらに核物質のテロリストなどへの流出阻止を目指した核セキュリティー対策にも力を入れている。05年にはノーベル平和賞を受賞。

「安全保障用語」編集部