防衛計画の大綱

【National Defense Program Guideline】
日本の安全保障・防衛政策の中長期的な基本方針を定めたもの。これまで、防衛装備に力点が置かれていた第1次から第4次にわたる「防衛力整備計画」をやめ、東アジアの情勢と防衛力整備を関連づけて、政策面にも重きを置いた「防衛計画の大綱」(51大綱)が1976年に初めて策定された。「限定的かつ小規模な侵略」に対して、「原則として独力でこれを排除しうる」防衛力を整備目標とするとした「基盤的防衛力」構想が盛り込まれた。95年に改定された大綱(07大綱)では日米同盟強化を強調。米同時多発テロ後に改定された2004年の大綱(16大綱)では、抑止重視から危機対応能力を重視。10年の大綱(22大綱)では、これまでの「基盤的防衛力」から「動的防衛力」への転換をうたい、中国の海洋進出を念頭に置いた離島防衛の強化を盛り込んだ。13年に改定された現大綱では、「統合機動防衛力」の整備を掲げ、機動力を重視するとした。政府は2018年中に、新たな大綱策定に取りかかっている。

「安全保障用語」編集部