拒否的抑止

【Deterrence by denial】
相手の攻撃を物理的に阻止する防衛力を高め、相手の目的達成を拒否する能力を整えることで、相手に行動を思いとどまらせることを「拒否的抑止」という。報復能力を示すことで、相手に攻撃を思いとどまらせる「懲罰的抑止」と並び、「抑止」の中核となる概念だ。拒否的抑止には、弾道ミサイル攻撃で、攻撃しても効果が薄く、無駄だと思わせるよう、迎撃能力を高める「弾道ミサイル防衛」などが該当する。ただ、「拒否的抑止」のみの防衛には限界もあり、こちらの「拒否能力」を、相手が「攻撃力」と認識した場合には武力紛争に発展する可能性もあり、「拒否的抑止」構築には、拒否能力が攻撃能力に発展しないと相手に認識させることも必要になる。

「安全保障用語」編集部