機甲科

陸上自衛隊の職種(兵科)のひとつであり、帝国陸軍、諸外国陸軍の戦車兵職に相当する。火砲、機関銃などを搭載し、装甲した車体を持ち全方向への走行を可能とする無限軌道の能力を備えた戦闘用車両である。1914年、英国で初めて考案、試作されたが、回転式の砲塔を車体の中央に備え付ける今日の戦車の原型は、1916年に出現した仏のルノーFT戦車と言われている。帝国陸軍は、このルノー戦車を輸入し、1927年に第1戦車連隊を創設した。その後、戦車の装甲は厚くなり、1960年代には主砲も120mm級が一般的となり破壊力と防御力が格段に増大している。核戦争下でも、機動性に富み兵員を守れることから、戦車は現在も陸上戦闘の主役であるとされている。米国陸軍では、M-1エイブラムズ戦車、英国陸軍ではチャレンジャー戦車が主力であり、陸上自衛隊では国産の74式戦車の後継である90式戦車が主力となっている。

「安全保障用語」編集部