ソフトパワー

【Soft Power】
外交の原則は敵を作らず仲間を増やすことだ。軍事力や経済力を背景に強制的に影響力を行使するハードパワーに対し、相手国の共感を得るような文化的魅力や政治的価値観、人道支援などの外交政策をいう。友好国を増やして自国の影響力を高め、自国の意図に沿って相手国が行動してもらうようにするのが狙い。クリントン米政権で国防次官補を務めた国際政治学者のジョセフ・ナイ米ハーバード大教授が提唱し、2004年の著書「ソフトパワー」で体系化した。ナイ氏は中国の台頭があっても米国のソフトパワーは強く、米国の時代は続くと「Is the American Century Over?」(2015年)で指摘したが、トランプ米政権下でのソフトパワーは減退している。

「安全保障用語」編集部