安全保障のディレンマ

【security dilemma】
複数の国家が、自らの安全保障の状態を改善しようとして行動した結果、それぞれの安全保障の状態がかえって悪くなってしまう状況。たとえば、A国が自らの安全保障を改善しようとして防衛装備を増強したとする。B国は、このA国の防衛装備増強は、自らへの脅威となると認識し、自らも防衛装備を増強する。A国は、このB国の防衛装備増強によって、自らの安全保障環境を悪化したと思い、さらに防衛装備を増強する。これをみてB国はさらに防衛装備を増強する・・・。このような相互作用の結果、双方とも防衛装備を増強したにもかかわらず、安全保障の状態が悪化してしまうことがありうる。このような悪循環のことを安全保障のディレンマという。