航行の自由作戦

【Freedom of Navigation Operation】
米国の「航行の自由プログラム」の一環で行われる軍事作戦。1979年に開始された同プログラムは、国際法では認められない沿岸国の過剰な海洋管轄権の主張を、外交と軍事力の双方を使って認めないことを示すために実施されるが、外交を通じて過剰な管轄権の主張を改めさせる努力を行いながら、実際に艦船や軍用機を当該海域に派遣し、航行の権利の制限を認めない意志を示すために航行の自由作戦が行われる。米国は旧ソ連が領海内での外国艦船の無害通航には許可が必要と主張していたため、航行の自由作戦を実施し、米ソの艦船が衝突することもあったが、両国は協議を通じて無害通航に沿岸国の許可は不要との共通認識に至るようになり、1989年に共同声明を出してこれを確認した。2015年以降、中国による南シナ海の軍事化に対して米国が航行の自由作戦を開始し、注目を浴びた。