軍団

【Corps】
陸軍の大規模な部隊で、数個の師団(1師団は兵力1万人前後)と各種支援部隊を指揮下に持つ。一般的に指揮官(軍団長)の階級は中将。国民が総動員された第一次・第二次世界大戦では、数個軍団をまとめて(第○○)軍とし、さらに、数個の軍をまとめて方面軍とすることもあった。軍団の起源はナポレオン時代のフランス。徴募制市民軍の規模が大きくなり、数が増えた師団を数個まとめて軍団とし、大軍の指揮を可能とした組織論上の工夫である。ナポレオンは指揮下の軍団を複数経路に分散させることにより敵を捜索しつつ前進する速度を増すとともに、各軍団を相互に支援できる距離(1日行程)で行動させることによりいずれかの軍団が敵主力に接触した場合に短期間でその正面に自軍主力を集中して決戦を挑むことができた。すなわち「分進合撃」という戦術上の創案でもあった。