三矢研究

【Three arrows study】
1963年(昭和38年)に、自衛隊の統合幕僚会議が作戦研究を極秘で行っていた机上作戦演習。昭和38年に研究が行われたことから、「三矢(みつや)」と名付けられたとされる。当時の統合幕僚会議事務局長の田中義男陸将をトップに、統合幕僚会議や陸海空幕僚監部の佐官級ら50人超が参加し、朝鮮半島有事の際、自衛隊や日本政府、米軍がどのように対応するか、または行動すべきかを研究。日本への波及も想定し、自衛隊の運用や日米共同作戦、目的遂行のための憲法停止など、法的問題についても検討したもので、65年に当時の社会党・岡田春夫衆院議員がその存在を衆院予算委員会で暴露したことで国会が紛糾し、当時の小泉純也防衛庁長官が引責辞任した。「三矢研究」の発覚により、日本の有事法制の議論はしばらくタブー視されたが、2003年に武力攻撃事態対処関連法が成立し、有事対応の基本的な法整備がなされた。

「安全保障用語」編集部